長女が小4に進級した時、20代の小柄な女性が担任になりました。
最初は若い女性の先生ということで喜んで学校に行っていましたが、だんだん雲行きが怪しくなってきました。
とにかくよく怒るらしく、それがかなりストレスになってきているのがわかりました。
今まで、いやなことがあっても学校には行っていましたが、6月頃から明らかに登校するのをいやがるようになり、毎朝かなり大変な状況になってきました。
思い出すのも辛いですが、
・朝から泣きわめいて「学校に行くのがいやだ」と全身で表現する ・吐き気がする ・微熱が出る ・理由をたずねてもはっきりとした理由がわからない ・学校に連れて行こうとしても激しく抵抗する
上記のような状況でした。
その時、原因として考えられたことは、
・先生の存在 ・勉強が苦手なこと ・クラスの男子の存在 ・好き嫌いが多いので給食 ・友達とトラブルがあったのか
などなど。しかし、確実な理由がわかりません。
本当に微熱が出たり、吐き気がしたりするので体調が悪いのかとも思いました。
でも、その日学校を休むことが決まると、症状は落ち着き普段の長女に戻るのです。
熱も平熱に戻ります。
結局、「先生が給食をむりやり食べさせようとしていたことがストレスで学校に行くのがいやだった」ということが数年後にわかりましたが、その時原因がわからなかった私は完全に途方に暮れていました。
不登校に対する考え方
いざ自分の子が「学校へ行きたくない」と言うと、皆さんどう思われるでしょうか?
実は、わたしの周りには不登校の子どもを持つ親がいませんでした。
友人の子どもも毎日いやいやながらも登校していますし、私自身も不登校の経験はありません。
私も学校に行くのはいやでいやでたまりませんでしたが、我慢して登校していました。
不登校についてはテレビ等でみたことや聞いたことがありますが、その程度です。
子どもから「今日も〇〇ちゃん、お休みだった」と聞くことはありましたから、クラスに1〜2名は不登校の子がいるのは知っていました。
これが、いざ自分の子に起こると、私は昭和生まれのガチガチ頭の人間ですから、「なんとか登校できるようにしなければいけない!」と思いました。
テレビなどでみていた時には「その子の気持ちや命がいちばん大切。長い人生のうち、不登校の時期があってもいいやん」と思っていましたが、自分の子にはそう思えません。そして、それが自分自身すごく残念でもありました。我が子の不登校を受け入れられないのです。
世の中には不登校について悩んでいる方もたくさんいらっしゃると思いますが、そうでもなく「別に行きたくなかったらいかなくていいんじゃない」とあっさりと不登校を認めてあげる方もいらっしゃいます。
正解はないですし、逆にいうとどちらも正解というか…
私はきっと「何が理由であろうと休む癖をつけてはならない。大人になったらどんなにつらい状況であろうと毎日働きにいかなければならないのだから」と思っていたのだと思います。
でも、世の中全ての子がすんなりと学校に行けるわけなんてないですよね。
不登校の子がいることの方が自然です。
2週間ほど休んだり登校したりした
結局、毎朝吐き気と微熱に襲われるため、担任の先生にも状況を説明し、小児科も受診しました。
担任の先生は、「学校生活の中で大きな問題は見受けられない」と言います。
小児科を受診すると「何かストレスがあるのかな。それが学校にあるのか、家にあるのか、他に、例えば習い事などへのストレスがあるのか。よかったら本人と少しおはなしをしてみてもいいですか?」と言ってくれました。
お願いしたところ、「ストレスに感じていることはいろいろとあるようです。ただ、何か特にというところまではわかりませんでした。また学校の先生にも相談しながら無理のないように過ごしてみてください」とのことでした。
もう一つ、東洋医学で診察してくれるところも受診してみました。
「何かストレスがあるんでしょうね」と針を当ててくれる治療をしてくれました。
そして、緊張をほぐす作用のある漢方薬を処方してくれました。
もう4年生ですから、私が仕事の間は一人でお留守番ができるようになっていました。しかし、朝普段通りに登校すると思いきや、泣きわめいて登校拒否されると仕事もおちおち行っていられません。かと言って仕事も休めません。
遅刻をしながらでもむりやり家からひきずり出して、私も学校まで一緒にいったり、仕事が休みの日は3時間目からは行こう、と言って3時間目に間に合うように一緒に登校したり、もうどうしても無理な日は休ませたりしながら1週間〜2週間が経っていきました。
文章で書いたらあっさりですが、もう壮絶でした。
私も朝から必死のパッチです。
こんなに学校に行きたくないのなら休ませるべきか、と何度も思いました。
「早く夏休みになってほしい。あと1ヶ月したら夏休み。それまでずっとこの状況が続くのか。2学期がはじまったからといって、また今までのように問題なく登校できる保証はない。でも、とにかく早く長期休みになってほしい!」
「でも、何が原因?」私には、絶対に学校が原因だとしか思えまえん。
でも、その何が、っていうのがわからないままでした。
救いの手が
そんなこんなで悩みながら犬の散歩をしていると、同じクラスの男の子のママさんに出会いました。
その方に「最近、休んでるみたいやけど大丈夫?」って聞かれて、「いや〜、困ってるんですよね…」と話を聞いてもらいました。
すると、「うちの子、よかったら朝迎えに行かせるから、また言って」と!
非常にありがたかったのですが、長女はその男子からよくいやなことを言われたりされたりしていたので、きっと拒否するだろうな、と思って、その場は丁重にお礼を言って去りました。
しかし、このありがたいお誘いになんとかのってほしい!!
帰宅後さっそく、はやる心をおさえできるだけ冷静に装い、長女にたずねてみると「迎えにきてほしい」と。
これまた想定外の答えが帰ってきて驚きましたが、もうなんでもいい!
とにかく学校に行ってほしい!!
そして、その彼に翌日お迎えに来てもらうことになりました。
ということで、不登校の原因がクラスの男子ではない、ということもわかりました。
学校に行けた!
約束の時間に彼はピンポンをしてくれました。
長女もちゃんと学校へ行く準備をしています。
吐き気や微熱もありません。
「なんなんだ。どういうことなんだ」
もうわけのわからないことだらけです。
長女は男子大嫌いなんです。
ということは、男子を超えるほどいやなものが学校にあるのか。
私も彼に挨拶をするために一緒に玄関を出ます。
「おはよう。よろしくね」
彼は爽やかに「はい!」と行って、長女を学校へ導いてくれました。
「なんか長女の話と違う。めちゃくちゃいい子やんか」
明日も登校できたらいいのに。
登校していく2人の姿を見送りながら、明日もお迎えに来てもらえないかな、と思いはじめていました。
毎日お迎えに来てくれた
結局、「明日もお迎えに来てくれないかな?」を何日か繰り返し、「夏休みまでずっと来てもらえないかな?」となり、彼のおかげで長女はそこから夏休みまでの1ヶ月間、毎日、無事に登校することができました。
彼には今も感謝のおもいでいっぱいです。彼は私にとってヒーローです。
学校の先生にも、「もともと好き嫌いが多く給食が苦手なので、できるだけ本人の無理のない範囲で食べられるようにしてほしい」とお願いしました。
わたしは小さい頃から好き嫌いって全くないんです。
しかし、長女は1歳からいちごもバナナも拒否していました。
今になって思うんですが、長女は味覚に対して明らかに私と違う感じ方をしていると思います。元々頑固なタイプではありますが、もうほんとに味を受けつけない、ということが多いんです。我慢して食べさせようとしたこともありますが、無理に食べさせようとしてもえずいて涙が出てくる状態です。そして、結局食べられないんです。そして、いつしか私も無理に食べさせることをやめるようになりました。私からしたら、「この味の何がそんなにいやなん。おいしいのに」って感じですが。味だけではなく触感に対しても敏感ですから、なかなか難しいです。
まぁ、世の中にはそういう人もいるのでしょう。そんな風に産んで気の毒だな、と思いますが仕方ありません。それでも、少しずつ食べられるものも増えてきているので、大人になったら今よりはもう少し食べられるようになっているでしょう。
高齢の患者さんの中でも好き嫌いのある方はいらっしゃいますけど、好き嫌いがあるから不健康かっていうとそんなことないと思います。苦手なものを我慢して食べる方が良くないような気もします。
話はそれましたが、夏休みが終わって2学期、彼の力なしに自力でまた登校できるようになりました。
中学生になった今でも、学校には行きたくないようですが、あの時の私の必死な関わりを思い出すのか、「うちは休ませてくれへんのやろ?」と言って、簡単には休まなくなりました。
しかし、1年間に2〜3度ほど、どうしても行きたくなくなるようで、私も様子をみて「明日はちゃんと行きよ」と言って休ませることもあります。大人も年に数日は有休を使えますからね。
Idomyイドミィ
これまでは、タイトルの「困りごと」に対する対処法や解決法などを記事の終わりに書くようにしてきましたが、不登校に関しては正直どう対応すればよいのか全くわかりません。
そこで、ご紹介したいのが「Idomyイドミィ」です。
こちらは、代表 高橋 惇さんが神戸市で開かれているアクティブスクールで、お勉強以外にも他に類をみないような活動をされています。
詳しくはぜひイドミィのHPをご覧いただきたいのですが、とにかく経験重視ということで「実体験こそ最高の学び」という理念のもと、様々なプログラムを企画・提供してくれています。
その中の一環に「不登校生支援事業」もあります。
私はこの事業に直接的には関わったことはありませんが、じゅんちゃんの活動の中でそのことを知る機会もあり、すばらしい活動だなぁ、と以前から思っていました。
「不登校」ではなく「否登校」とよんでいることからも、不登校に対するとらえ方が「自らの意思で登校しないことを選択している」ということが感じられます。
そして、否登校だから学校生活を経験する機会が失われがちであるという現実に対し、積極的に様々な経験ができるよう常に企画されています。
そんなじゅんちゃんは、神戸大学卒の元お笑い芸人、自転車で日本を2周していて、今はウインドサーフィンで全国2位。高身長でかっこよく、字もきれい。zoomなども駆使し全国につながりを持っています。
不登校でお困りの方は、ぜひ「イドミィ」で検索してみてくださいね。
子育てをしているといろいろなことがありますが、全ての子どもが伸びやかに成長できますように。
読んでいただいてありがとうございました。
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