わたしには2人の子どもがいますが、その子たちが生まれる前にも小さな命を授かっていました。
初めての妊娠で嬉しくて嬉しくて、すぐに母子手帳をもらいにいったことを覚えています。
その子に「ぽんちゃん」と名付けました。すでに愛着も芽生えていました。
しかし、おなかの中のぽんちゃんの心臓はある日とまってしまいました。
とても悲しくて辛い出来事でした。
わたしのように流産を経験される方は多いと思います。
中には辛すぎて立ち直れそうにない方もいらっしゃるかと思います…
赤ちゃんができた
わたしは若い頃から生理が不順で、2ヶ月くらい生理がないこともよくありました。
排卵をしているかも調べたことがなかったですし、なんとなく自分は妊娠しないんじゃないか、と思っていました。
ところが、いつ頃からかなんとなく気分が悪くて食欲のない日が続きました。
ちょうど暑くなってきた時期でしたので、「暑いからバテてきたのかな」と思っていました。
しかし、あまりにも長く続くので、まさかとは思いましたが、試しに妊娠検査薬で調べたところ、陽性反応が出ました。
嬉しくてびっくりして飛び上がりそうになりました。
「まさか、このわたしが、に・に・に・にんしん〜!!え〜!!」と信じられないような気持ちでした。
産婦人科を受診した
産婦人科なんていったことありませんでしたし、はじめてのことでどうすればいいかわかりませんでしたが、勇気をふり絞って受診しました。
受付で「あの〜、妊娠検査薬で陽性反応が出たのできました〜」とおずおずと伝えたと思います。
「母子手帳はお持ちですか?」と確か聞かれたと思います。
「いえ、まだです。妊娠してるかどうかわからないので…」と伝えたと思います。
受診したら、淡々と「妊娠5週」と告げられたような気がします。
「あれ?なんか思ってたんとちがう…。もっと、おめでとう〜!みたいな雰囲気かと思ってた」と拍子抜けしつつも「よっしゃ〜!やった〜!」と意気揚々と病院を出たように記憶しています。
しばらくは順調だった
当時は、今のようにクーポンなどがまだなかったので、受診の度に1万円以上吹っ飛んでいました。
妊娠とはなんとお金のかかることなんだ、と思いながらも、みんな経験してるんだし、新しい命を授かったんだから、と毎回鼻息荒くすごい大金を支払っていました。
そんなことよりも妊娠した嬉しさの方が勝っていました。
赤ちゃんもエコーをとるたびに大きくなっていて、頭と手と足もはっきりとうつっていたりして、もうそれはそれはルンルンでした。
早々に区役所に行って母子手帳ももらいました。
お腹もどんどん大きくなって今までのズボンは入らなくなってきました。
出血をした
妊娠4ヶ月になる前のある日、急にまぁまぁの出血しました。
心配になって病院を受診すると、優しい初老の男の先生から「赤ちゃんの心臓が動いてないね…とまっているように見えるけど、明日、もっといい先生が来るから、明日またしっかりその先生に診てもらいましょうね」と言われました。
幸せな気持ちが一変して、不安で不安で仕方がなくなりました。
「一回心臓がとまっても、また動くようになるの?もう動かないの?」
「また動いたとしても、順調に大きくなるの?何か、障害は残らないの?」
その夜、トイレで大量に出血をしました。
何か、かたまりのようなものが流れ出た感じがしました。
トイレは真っ赤で何も見えません。
手を入れようかと思いましたが、怖くてできませんでした。
かといって、流すこともできず、どうすればいいかわかりませんでした。
翌日受診をした
翌日、受診をするとまた淡々とした大先生でした。
「赤ちゃんが…もういないですね…昨日出血がありましたか?」
「はい…」
「稽流流産…今回は残念だったけど…ただ、赤ちゃんが自分で出ていってくれたので、あなたは手術しないで済むんです。おなかの中で赤ちゃんが残ったままだと、赤ちゃんを子宮から掻き出すという手術をしないといけないので…1週間は子宮を収縮させるお薬をのんで安静にしてください」
信じられない気持ちと悲しみで胸が張り裂けそうでした。
稽流流産とは
流産にもいろいろありますが、稽流流産とはおなかの中で胎児が死んでしまったまま子宮内に留まるタイプの流産です。
わたしの場合は、赤ちゃんが自然に出ていってくれたので手術は必要ありませんでした。
しかし、そのあとは2週間ほど子宮収縮のために下腹部がぎゅーっと痛みました。
何より精神的にこたえたのは、区役所に流産をした旨の連絡をしていたにも関わらず、出産予定前後にいろいろな書類を送ってきたことです。
流産をした後は、悲しみに加えて、また妊娠できるのだろうか、という不安も強くありましたが、とりあえず、体が一旦落ち着いてからは、妊娠前からしたかった海外旅行などをして楽しく過ごすようにしました。
再び妊娠
1年半後くらいに、また妊娠することができました。
ただ、その時は、前回の事が思い出されて不安で仕方がありませんでした。
そこで、受診の際に「前にこんなことがあったんですが、今回は大丈夫か心配で…」と言うと、また別の淡々とした先生が「流産の確率は10分の1の確率で起こります。そして、2回目の流産の可能性は10分の1✖︎10分の1で100分の1になりますから、可能性としてはかなり低くなると思われます。」と淡々とこたえてくれました。
「もちろん、今回も起こらないという可能性はないわけではないですが、確率としては低いです。そして、流産がクセになるということはないです」とのことでした。
もう天に全てを任せるしかありません。
結果、途中で前回のようなまぁまぁの出血もありましたが、その時はまた淡々先生②に「出血をするから安静にしなければならない、ということはないし、出血を予防するために安静にしたからと言って流産を免れるわけでもない」と淡々と言われて、なんかもやもやしながらも、「まぁとにかく安静にする必要は今はない」ということでしたので、不安ながらも普通に働いて最終的に出産することができました。
ちなみに、出産は死ぬかと思うくらい大変でした。この話についてもまたいつか綴らせていただきたいと思います。
流産しても
わたしのように初めての妊娠で流産をしてしまう方もいらっしゃると思いますし、何人目かのお子さんでそうなってしまう方もいらっしゃると思います。
わたしは当時よく知らなかったのですが、流産ってよくあることなんですね。
しかも、自分でも気づいていないうちに起こることもよくあるようです。
でも、やはり経験してしまうと、本当につらいし悲しいですよね。
わたしの友人も何人か流産を経験しています。
心配で押しつぶされそうな方もいらっしゃると思いますが、この先のことはどうなるかわかりませんし、どうぞあまり不安になりすぎないでほしいです。
流産を経験してもまた出産している人は多いです!
わたしが不安になりすぎていたので、もしわたしのようになってしまわれている方がいらっしゃったら、ぜひこの記事がその方の元へ届いたらいいな、と思います。
読んでいただいてありがとうございました。
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