膝の痛みなどで受診をしてレントゲンを撮ったけれど、特に問題はないと言われて何もしてもらうことがなく帰宅した経験ってありませんか?
今回は「せっかく病院にいったのにこれでよかったのかな?」とお思いの皆さまにお伝えしていきたいと思います。
実は多い
整形外科の外来に来られる患者さまの中には様々な症状の方がいらっしゃいますが、はっきりとした原因がわからないことって多々あります。
例えば
・1週間前からなぜかわきばらが痛い。レントゲンをとっても骨折は見当たらない ・膝の上が痛いけどレントゲンをとってもエコーをとっても悪いところが見当たらない ・首から肩にかけて痛いけどレントゲンでもエコーでも悪いところが見当たらない
などです。
何かきっかけがあれば「これが原因で今こういう症状が生じている」という理解をしやすいですし、原因がわかればそれに対する対処法も講じやすいです。
しかし
・いつからかわからない ・痛いときもあれば痛くないときもある ・何かきっかけがあったわけではない ・気づいたらその症状が起こっていた
という場合があります。
受診をすると、レントゲンなどで
あなたの骨はもともとこういうカタチでちょっと人とちがいます
疲れがたまってきたりしたらここの部分にお疲れが出て、痛みという形で症状が引き起こされるのかもしれませんね
などと原因がわかることがあります。
例えば、ストレートネックや骨の変形などです。
また
レントゲンを撮ったらここの骨の部分が少しとがっていることがわかります
ただし、これは安静を要するものではないので動かしてもいいし運動もしてもらっていいです
などと言われることがあります。
その場合は、痛みに応じて動かせますし、動かしていく方が痛みが軽減していくことは多々あります。
多くは、痛みの程度によって内服薬を処方されたり注射を打ってもらったりサポーターなどで保護をしたりながら症状が落ち着くのを待つことができます。
また、その痛みがきっかけで治療すべき病状であることがわかった場合には、さらにMRIや採血など検査をして治療をしていくことにつなげていきます。
今回、みなさまが戸惑われるのは恐らくこういう場合です。
レントゲンでもエコーでも問題ありませんねぇ…
一度MRIを撮ってみてもいいかもしれませんが、そのまま1週間ほど様子をみてもいいと思います
しばらく様子を見る
MRIの機械が病院にあってもMRIやCTは予約制であることが多く、撮りたい時にすぐに撮れるものではないことがほとんどです。
ましてやクリニックを受診した場合は、クリニックにMRIの機械を設置しているところはほとんどないでしょうから、別の日にわざわざ予約をしてスケジュールを調整して撮りにいかなければなりません。
患者さまとMRIの空き時間を合わせようとすると、意外と1〜2週間先になることなんてざらにあります。
中には、1ヶ月先になってしまう、なんてこともあります。
また、MRIを撮るにはお金もかかります。部位にもよりますがだいたい3割負担で7千円〜1万円弱はかかることが多いのではないでしょうか。
MRIは20分ほど暗いドームみたいな中でじーっとしておかなければなりませんから、小さいお子さんや閉所恐怖症の方にもお勧めできません。
そういうことを考慮して医師が
1週間ほど様子をみてみましょう
とお伝えするケースは多々あります。
患者さまの中には、「えー、こんなに痛いのになんとかしてくださいよ」と思われる方もいらっしゃるでしょうが、日にち薬で治ることも整形の分野ではよくある話です。
原因がわからないけど、1週間もすればその痛みが消滅した、ということは私にも経験があります。
少しゆったりかまえてみてください
せっかく病院にいってみてもらったのに、原因がわからなく何もしてもらえなくて残念ですが医療機関は全ての問題を解決できるところではありません。
できるだけ解決できるよう努めますが解決できないこともあります。
また、病院だけに頼らず、ご自分でご自分の体の声を聞いていただいていつもより少し時間的にも身体的にもゆったりと過ごしていただくことも大切なことです。
少し様子をみて、また受診をされる方もたくさんいらっしゃいます。
はじめてこのようなご経験をされた方の中には、不安そうだったり不服そうだったりされる方もいらっしゃいますので「ものすごく悪いところはなさそうだ」ともう少し楽なとらえ方をしていただけたらと思いこの記事を書きました。
痛みが続くようであれば再受診をしていただくといいですし、違う医師に診てもらいたい場合は前回の医師には気を遣わず他の病院へ行かれてもいいと思います。違う医師に診てもらったら悪いところが見つかった、というのは度々ある話です。
乳がんに関しては検査をしても見逃されることが多いので、おかしいと思われたらかならず再受診するか他の病院へ行ってみてもらうようにしてくださいね。同じ医師だとまた見逃されるかもしれないので私なら他の病院へ行くかもしれません。遠慮は要りませんよ。
皆さまの苦痛が少しでもやわらぎますように。
本日も読んでいただいてありがとうございました。
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