・足首を捻挫して痛いんだけど、冷やしたらいいの?温めたらいいの?
・太もものうらが痛いんだけど、どうすればいい?
・首から肩にかけてたまらない痛みがあるんだけど、どうしたらいい?
・犯人を追いかけたときにふくらはぎをいためたんだけど、どうしよう?(実際に友人のご主人が経験されました)
急に痛いところができちゃったんだけど、病院は明日まであかないし、どう過ごしたらいいのかな
あたためたらいいのか、冷やしたらいいのかわからない
私も友人から時々受ける質問です。
答えは、「症状による」のですが、ここではなんとなくイメージがつきやすいようにざっくりとした考え方をご紹介していきたいと思います。
まず、大切なことは体の声をきくことです。
冷やしたりあたためたりしたら、その感覚が自分にとって心地よいものかどうかを感じてください。
心地よければその対応は大丈夫です。
心地よくなければ、あっていないということになります。
実際に外来でもこの質問は多いのですが、医師はよくこう答えています。
おうちに帰ったら一回冷やして(あたためて)みてください
それが心地よく感じたら、毎日の生活に取り入れてみてください
いやな感じがしたらやめといてね
では、どちらを選択すればよいのかをみていきましょう。
熱をもっている場合は冷やすことが多い
スポーツなどで関節や筋肉をいためた場合で、そこに熱をもっている場合は、冷やした方がいいことが多いです。
痛いところと痛くないところの温度差があって、痛いところがほんのりともしくは明らかにあたたかくなっている場合は、冷やしてあげて炎症を抑えてあげる方がいいと思います。
手のひらよりも手の甲の方が温度差を感じやすいかもしれません。
そして、熱をもっていると同時に腫れていることもよくあります。
冷やし方としては、氷嚢(ひょうのう)に氷を入れて冷やす方法が私は一番いいかな、と思います。
アイスノンだとタオルに巻かないとダメですし、リハビリの中には、氷で直接マッサージするようなものもありますが、氷を直接肌に当てると冷え過ぎます。
しかも、氷だと溶けてきたりしますので不便です。
氷のうは、最近は300円ショップ等でもかわいくておしゃれなものが売っていたりしますよね。
私は、チップとデールの氷嚢をディズニーストアで半額の700円ほどで購入したことがあります。
家に一つあると便利ですよね。
氷のうは、体にそって使用できますからそういう意味でもおすすめです。
袋のような形になっていますので、「膝」とか「ふくらはぎ」とか、その部位にそいやすいです。
しかも、広げたら割と広範囲に使用できますから、「肩」とか「太もも裏」などにもそいやすいかと思います。
外の場合、手に入ればコールドスプレーやアイスノンで応急措置をしてもいいかもしれません。
シップも鎮痛作用はありますが、急性の痛みの場合は氷のうで冷やす方が効果はあるかと感じています。
手術の後の熱を帯びて腫れた痛みに対しても、病院ではよく氷のうを使います。
そして、このような急性期の痛みがある場合は、入浴も控えている方がいいです。
炎症を増強させないようにするためです。
少しぬる目に感じる程度の温度でさっとシャワーを終える方がいいです。
また、痛い場所が足首などの場合は、足のむくみも軽減させたいので、もう一つ椅子か台などを用意して、その上に足を乗せて、足をできるだけ下におろさない状態を作ってください。
高さは座っているものと同じくらいの高さがいいです。
寝ている時もクッションなどで少し足をあげてあげるといいです。
重力の力でできるだけむくみを体の方に(末梢から中枢へ)持っていくという考え方です。
熱を持っていない場合は?
さて、急性期の場合で熱をもっている場合には、基本的に「冷やす」ことが多いですが、慢性的な痛みの場合は熱を持っていないことが多いです。
例えば、長年かかえている腰痛や度々起こる首や膝の痛みなどです。
触ってみればおわかりかと思いますが、他の部位との温度差はほとんどないと思います。
この場合は、あたためて痛みを緩和させていくことが一般的には多いです。
例えば、リハビリのホットパックです。
体の血流を良くしたり、筋肉の緊張をほぐしたりすることに効果があります。
筋肉は冷やすと筋肉内の血流が悪くなります。悪くなるとどうなるか、というと、痛みになります。
ですので、冷やすとあたためるの判断を誤ると症状を悪化させてしまうんですね。
ホットパックはリハビリの一つとして医師の指示のもと行います。
こんな感じの大きくて重たいものですが、80℃くらいのお湯であたためてタオルにくるんだものを患部にあてます。
例えば、腰でしたらうつ伏せに寝た状態で、腰の上にずっしりと15分前後のせます。
けっこう重くて熱いです。
5分ものせていると体が熱くなって汗ばんできます。
首にはもっと細長くて軽いタイプのものがあります。
あとは、温湿布(おんしっぷ)といって、あたためるシップというものをあえて希望される患者さんもいらっしゃいます。
わたし、これじゃないとあかんねん
このように、いろいろとお試しいただいて、ご自分に合うものが見つかればラッキーですね。
私の知っている整骨院でも保険適用でホットパックをしてくれるところがあります。
市販のものは電気で温めるものがあるようですが、こちらに関しては使用したことがないので、どんなものかわかりません。
膝の痛みでお悩みの患者さんの中には、膝を温める効果のあるサポーターを使用していらっしゃる方がいます。
その方も、
わたし、これじゃないとあかんねん
とおっしゃっていましたので、ぜひいろいろとお試しいただけたら、と思います。
設問の答え
ということで、最初に痛みの例としてあげたものに対しては、私は次のようにお伝えしました。
・足首の捻挫→冷やす
・太もものうら→冷やす
・首から肩にかけての痛み→温める
・ふくらはぎの痛み→冷やす
ただし、状況は様々ですし、肩などの痛みもレントゲンを撮ってみなければわからないこともたくさんありますので、これは参考程度にしていただいて、ぜひ整形外科等病院を受診してくださいね。
基本的には、熱がある→冷やす、慢性的で熱がない痛み→温める
このようにざっくりと考えることが多いです。
あとは、実践してみて心地よいかどうか、です。
みなさまの痛みが早くとれますように。
読んでいただいてありがとうございました。
コメント