急に骨折!「情けない」と泣かないで…(主に70才代女性向け)

医療

まさか、私が骨折?

けがや骨折って急におとずれますよね…

世の中の70才代の女性って、自分のことを70才代と自覚されていない方が多くてとてもすばらしいです!

ご自分のことを実年齢よりももっと若く思っていらっしゃる方が多いです。

実際、みなさん本当にお元気ではつらつとしていらっしゃいます。

入院の手続き時に改めて年齢を確認させていただくと、「あら、私、もうそんな年なのね」などとおっしゃられる方も多いです。

そんな方が、急に骨折をして口にされる言葉が「情けない…」なんです。

お気持ちはわかります。

でも、どうかそう思わないでください!

この言葉をおっしゃる方がとても多いので、そして、中には、精神的に落ち込んでしまわれる方も少なくないのでこの記事を書いています。

いろんな予定があるのにどうしよう?

・こけて手をついてから手首が痛い

・植木鉢やお米を運んだら腰が痛くなった

・強風にあおられてこけて肩をうった

・人にぶつかってこられてこけたら、立てなくなった

けがをする時って本当に急におとずれるんです。

・今日はお父さんの病院に行って先生からのお話を聞く予定だったのに…

・明日からお友達や家族と旅行に行く予定なのに…

・今仕事がすごく忙しくて休んでいる暇なんてないのに…

・一人暮らしで犬を飼っているから入院なんてとんでもない…

・私が家族の介護をしないとどうにもならない…

みなさんそれぞれご事情があります。

そんな中で、病院を受診して骨折が判明したら「えーっ!」って思いますよね。

骨折に大きなずれがなく、家に帰れる状態で、ギプスで2ヶ月過ごすことになった場合、私たち医療従事者は「これで済んでよかった、よかった」と思うのですが、それでも「もうこんなのはじめて…なんでこんなことになっちゃったのかしら、情けないわねぇ、ほんとに…」と落ち込んで涙を流される方もいらっしゃいます。

でも、その程度の骨折で済んでよかったです!

骨折なんてしょっちゅうあることです。

初めて骨折をされたなら、この年まで骨折がなかったことがラッキーでした。

スポーツをしてて今までに何回も骨折している方なんて、もう慣れっこになってしまっていて、骨折もちょっとしたけが、ぐらいに思ってそうなぐらいです。

そういう方は、骨折がどうこうというより「今度の大事な試合に出られない」ということが大問題になってきます。

さて、骨折はしても帰宅できる場合はさておき、問題は急に手術や入院になったときです。

骨折をして骨がずれている場合は手術をしなければなりません。

腰や背中を骨折して動けない場合は、もう入院して安静という選択肢をとるしかありません。

おうちに帰っても、痛くてトイレにすら行けません。

紙パンツをはいたとしても、それを交換するのも至難の技です。

ましてや、ご飯を作って食べるなんてもってのほかです。

そんな状態で誰かのお世話なんてできるはずもありません。

それでも、自分のこととなると、なかなか入院や手術という状況は受け入れられないものです。

でも、そこはもういさぎよく諦めて、しぶしぶでいいので現実を受け入れましょう。

それしか選択肢がないのです、残念ながら…

受診をして、そのまま入院となることも実際によくあることです。

いろいろな困りごとやお仕事は、だいたいなんとかなるものです。

こんなはずじゃなかったのに…情けない、ああ、情けない…

骨密度は、男女とも加齢によって減少しますが、女性は閉経後から特に骨密度が減少していきます。

これは、骨代謝に関係するエストロゲンが減ることで骨密度の減少が進むからです。

同じ75才の男性と女性の同じ部位の骨のレントゲンを比較してみると、男性の骨の方が白みが強くてしっかりしています。女性の方は、全体的にうすくて骨がすかすかな感じです。

この二人が同じこけ方をした場合、骨が折れやすい方は男性か女性か、というと、当然女性の方になります。

高齢になるとともに筋力やバランス感覚も衰えてきます。

これが、転倒のリスクをより高めています。

つまり、物理的に70才代以上の女性の骨折が多くなるのです。

ですので、70才を超えたら、女性は「こけたら骨折する!」

このように思っていただいていいです。

ということで、このような状態になったら過度に気分を落ち込ませず、

「あ、骨が折れちゃった。私にもきたか〜。じゃぁ、メンテナンスね。しばらく不自由な生活になるけど仕方ないわね。たまにはゆっくりするのも大事ね」

ぐらいに思っていただきたいです。

その中でも何かいい部分もきっとあると思います。

普段できないことをする、とか、少しゆっくりする、とか、毎日の生活では経験することのないスペシャルな時間をお過ごしいただきたいです。

・入院したらストレスもありますが、家事から一時的に解放されます

・自宅で過ごす場合は、ここぞとばかりに家事を家族に頼んでください(家族が力不足の場合も多々あり)

・前から読みたかった本をゆっくり読む

・前から観たかった映画をゆっくり観る

・気になりつつできていなかったことをリストアップし整理する

・音楽を聴くことに専念する

・前から味わってみたかったコーヒーやお茶やスイーツをどさくさに紛れて味わってみる

・将来のことを少しゆっくり考えてみる

などなど。

そして、可能であればぜひストレッチや軽い筋トレなどに取り組んでみてくださいね。

骨折したみなさまが少しでも落ち込むことなく過ごせますように。

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